令和7年7月10日豪雨における調節池の効果について
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調節池の効果について
令和7年7月10日に局地的に大雨が降り、気象庁から記録的短時間大雨情報(気象庁の解析雨量で杉並区:120㎜/h、中野区:110㎜/h)が発表されました。
実測値として都内では、杉並区の下井草観測所で時間最大93㎜/h、総雨量109㎜を記録しましたが、これまで整備してきた調節池等により、河川からの溢水を防ぐことができました。
■事例1 妙正寺川上流部
鷺宮調節池で取水したことにより、調節池下流(環状七号線付近)の水位を約1.0m水位上昇を抑え、河川からの溢水を防ぐことができました。
※東京都のシミュレーション結果
■事例2 妙正寺川下流部
5つの調節池で取水したことにより、調節池下流(環状六号線付近)の水位を約0.7m水位上昇を抑え、河川からの溢水を防ぐことができました。
※東京都のシミュレーション結果
令和7年7月10日豪雨について
令和7年7月10日に、前線に向かう暖かく湿った空気の流れや日中の気温上昇、上空の寒気の影響で、夕方から夜のはじめ頃にかけて東京地方で大気の状態が非常に不安定となりました。
このため、局地的に大雨が降り、気象庁から記録的短時間大雨情報が発表されました。
記録的短時間大雨情報 (注) 気象庁による解析雨量
杉並区 | 120㎜/h |
中野区 | 110㎜/h |
練馬区 | 110㎜/h |
目黒区 | 100㎜/h |
世田谷区 | 100㎜/h |
渋谷区 | 100㎜/h |
【動画】気象庁解析雨量:令和7年7月10日16時00分~22時00分
都内では、世田谷区の北沢観測所で時間最大96㎜/hを記録しました。
■1時間最大降雨量(総雨量)(注)実測値
妙正寺川では、鷺盛橋観測所において、1時間で河川水位がピークに達しています。
上高田上観測所においては、たった30分で河川水位がピークに達しています。
【動画】妙正寺川(鷺盛橋観測所)の河川水位
※32倍速で再生しております。
【動画】妙正寺川(上高田上観測所)の河川水位※32倍速
※32倍速で再生しております。
調節池の取水実績について
令和7年7月10日の豪雨においては、都内で12箇所の調節池に洪水を取水して、合計約41万㎥※貯留しました。
特に、鷺宮調節池では調節池容量35,000㎥の全てを取水して、調節池の効果を発揮しました。
※41万㎥を東京ドームの体積(約124万㎥)で例えると、東京ドームの約3分の1の大きさです。
10tダンプトラックの積載量は約10㎥なので、41万㎥を運ぶにはトラック約41,000台必要です。
令和7年7月10日豪雨における調節池取水実績
妙正寺川・江古田川では合計5箇所の調節池で洪水を取水しました。
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河川名 | 調節池名 | 取水量 | 貯留率 |
① | 神田川 善福寺川 |
神田川・環状七号線 地下調節池 |
129,000㎥ | 24% |
② | 白子川 | 白子川地下調節池 | 62,000㎥ | 29% |
③ | 妙正寺川 | 上高田調節池 | 69,000㎥ | 44% |
④ | 妙正寺川 | 鷺宮調節池 | 35,000㎥ | 100% |
⑤ | 妙正寺川 | 妙正寺川第二調節池 | 15,000㎥ | 16% |
⑥ | 江古田川 | 北江古田調節池 | 13,000㎥ | 81% |
⑦ | 妙正寺川 | 落合調節池 | 4,600㎥ | 9% |
⑧ | 神田川 | 下高井戸調節池 | 5,000㎥ | 17% |
⑨ | 石神井川 | 城北中央公園調節池 | 500㎥ | 1% |
⑩ | 目黒川 | 荏原調節池 | 46,000㎥ | 23% |
⑪ | 目黒川 | 船入場調節池 | 5,000㎥ | 9% |
⑫ | 渋谷川・古川 | 古川地下調節池 | 23,000㎥ | 18% |
合計 8河川12調節池 | 41万㎥ | 15% |